マツモムシは顔が可愛らしく、水面に逆さに浮いて泳ぐ姿がユーモラスなため飼育してみたくなる虫です。飼い方自体はそれほど難しくありませんが、ポイントは生餌をどう確保するかです。正直ゲンゴロウの方が余程簡単です。
またマツモムシは飛ぶ虫なので、蓋をしていないと逃げられる危険性があります。ここではマツモムシの飼い方やエサの確保の仕方などをご紹介します。
マツモムシの飼い方は?幼虫と成虫で違うの?
マツモムシの飼い方は幼虫も成虫も基本的には同じです。
<用意するもの>
1)飼育ケース:プラスチック製の蓋つきのもの。カブトムシの飼育などに使われる一般的なもので良いです。幼虫は飛びませんが、成虫は飛ぶので蓋は必要です。
2)エアレーション:無くても大丈夫ですが、あった方が楽です。
3)水草:マツモやアカナリスなど
3)カルキ抜きした水:水道の水を使う場合は、市販のカルキ抜き剤を使うか、1日汲み置きした水を使います。水は20センチ程度の深さで十分です。
マツモムシを卵から成虫まで育てるのはかなり難易度が高いです。1齢幼虫の時に水が汚れると(油膜など)すぐに死にますし、脱皮に失敗して死ぬ個体もかなり多いです。飼育下で卵から成虫になれるのは20〜30匹に1匹程度です。ただし、これは私のマツモムシの飼い方の問題かもしれませんので上手な人はもっとうまくいくと思います。
マツモムシの好むエサは?どこで手に入るの?
マツモムシのエサは基本的に自分と同じくらいか少し大きいくらいの生きた虫です。そのため、幼虫と成虫ではエサが少し異なります。
マツモムシの幼虫のエサはボウフラが最も良いです。ミジンコも食べます。ミジンコは飼うこともできますし、近所に池があれば捕まえることもできるかもしれませんが、それだとエサやりが大変ですね。
ボウフラは同様に近所の池ですくってくる方法もありますが、夏場に洗面器かバケツに水を張って外に置いておけば蚊が卵を産むので手に入ります。
ボウフラが手に入らない場合は市販のアカムシでも代用が可能です。ただし、そのままだと水に沈んでしまいますのでピンセットでつまんで水面を叩くように動かして与える必要があります。
他に良いのはメダカです。屋外のビオトープでメダカを飼育すると大抵マツモムシが飛んできて食べてしまうくらいメダカは好物です。幼虫には稚魚の方が良いでしょう。オタマジャクシも好きです。
他にも昆虫であれば水に落とすと結構食いついてきます。コオロギでもゴキブリでも食べます。
エサを与えるポイントとしては「水面に浮くかどうか」「動くかどうか」です。極端に大きすぎなければ大体これでうまくいきます。
マツモムシの寿命はどれくらい?
マツモムシの寿命はおおよそ1年くらいです。活動期間は5月〜10月です。成虫で越冬します。基本的には平地の沼や池、農薬を使っていない田んぼにいます。捕まえ方はタモ網ですくえば沢山とれます。
ただ成虫越冬とはいえ、私は越冬に成功したことはありません。マツモムシの寿命と活動期間を考えると、やはり初夏に捕まえて飼育してみるのが一番楽しめると思います。夏場だけの飼育だと思った方が良いでしょう。秋になったら捕まえたところに逃がしてあげてください。
マツモムシは4月に産卵、5月半ば頃に卵から孵化して泳ぎだし、夏に成虫になります。1齢幼虫の飼育は難しいので、やはり7月以降の大きめの幼虫〜成虫の頃に捕まえるのが良いでしょう。
まとめ
マツモムシの飼い方で注意点があります。それはエサが不足すると共食いするという事。もう一つはゲンゴロウと一緒に飼わない事。ある日子供たちが「エサ」としてヒメゲンゴロウを捕まえてきたのですが、翌日マツモムシ(幼虫)はバラバラにされていました。そう、ゲンゴロウはマツモムシの天敵だったのです。間違ってゲンゴロウと一緒に飼育しないでくださいね。